阪神タイガースの金本知憲選手が引退試合を行いました。

アニキの愛称で親しまれ、数々の偉業を成し遂げた金本智憲選手ですが、1492試合連続フルイニング出場の世界記録を樹立し、通算2539安打、476本塁打、1521打点という成績を残しました。

1492試合連続フルイニング出場は、まさに世界に冠する大記録ですが、連続出場記録が続いている中で、手を骨折してしまい、あわや記録も途絶えるかと思われた中、ギプスをしながら試合に出場をして、打撃では、片手でヒットを打った姿も印象に残っていますね。

まさに、鉄人という異名がピッタリの金本知憲選手ですが、引退セレモニーには、元ジャイアンツ、オリックスの清原和博さんが駆けつけて、花束を渡すというシーンもありました。

さらに最後の試合でも、ヒットを打ち、盗塁を決めるなど、まだまだ現役でもいけそうな活躍をされました。

以下は、清原も駆け付けた引退セレモニーでの、金本のコメント(全文)です。
少々長いですが、感動が伝わってきます。

まず最初に僕を産んでくれた両親、アマチュア時代から広島時代、阪神時代、僕の野球人生に関わったすべての人々に、心より感謝申し上げます。

思い返せば10歳の時に野球を始め、常にプロ野球選手を夢見てボールを追っかけてきました。
その夢がかなったのは、21年前の地元・生まれ育った広島カープへの入団でした。

プロ野球の世界は、自分が思ったよりもとにかく厳しい世界でした。
必死にバットを振って、必死に重たいバーベルを担いで、一生懸命、本当に一生懸命、
無我夢中でやってきましたが、なかなか結果が出ず、苦しい思いをした最初の3年間でした。
その3年間の苦しみというものは、僕の野球人生、僕の人生そのものにおいても大きな財産となっています。

2003年にタイガースに移籍してきまして、いきなり感激の優勝を味わわせていただきました。
立て続けに2005年も4番としてリーグMVPを獲得し、また優勝させていただきました。
2003年からは常にこの甲子園球場、毎年300万人の観客を動員し、あのジャイアンツにも10年間で2回しか負け越していません(歓声)。

この甲子園球場というのは、自分の持っている力以上のものを引き出してくれました。
しかし、そうも人生はうまくいきません。 3年前に肩をケガしてからは、自分の思うようなプレー、パフォーマンスを出すことができなくなりました。

それから常に引退の2文字が頭をよぎるようになりました。

自分でも、『もう辞めたい、もう嫌だ』と、悔しい思いをしながらも、ファンの皆様の、『あの金本の特大ホームランがもう1回見たい』『あの弾丸ライナーのホームランがもう一度見たい』
『もう一度3割30本を打つ金本が見たい』という声に励まされ、必死にリハビリに励んできました。

しかし、なかなか元のパフォーマンスに戻ることはできず、今日ここでユニホームを脱ぐ決意をしました。

悔いや心残りはたくさんあります。
チームとして2回優勝を経験しましたが、最後にもう一度優勝したかったです。

そして、阪神ファンが一番喜ぶ瞬間である日本一という瞬間を、この甲子園球場でどうしても達成したかったです。

残念ながらその悔いと心残りは、今日ここにいる後輩たちに託すことにします。

DeNAベイスターズのみなさん。
今日は自分の引退セレモニーにご参列いただき、ありがとうございます。
DeNAベイスターズは今年、中畑(清)新監督を迎え、チームの雰囲気もガラッと変わり、常に注目されるチームになりました。

しかし、一番目立っているのは監督でした(笑)。

選手の皆さん、選手より監督が目立っているようでは駄目だと思います。
監督より選手が目立つことを、中畑監督も望んでいることと思います。

来年、ベイスターズが優勝争いをするようなことになると、一番日本で注目されるチームになると思います。

日本球界のためにも、何とか来年意地を見せて、優勝争いを期待しています。

もう僕はこの甲子園の左バッターボックスで、フルスイングすることはありません。
ダイヤモンドを全力で走り抜くことも、もうありません。
レフトのポジションでボールを必死に追いかけることも、もうありません。

正直言って、寂しいです。 やり残したことはたくさんあります。
僕のやり残した分まで、今ここにいる後輩たちが、僕の分まで必ずやってくれると信じています。
そして外野を守っていると、『アニキ、夢をありがとう』とか、いろいろなボードが目につきます。

それは僕がファンの皆様に言いたい言葉です。
タイガースに移籍してきて、本当に快く迎え入れてくれたファンの皆さん、たまにきつい野次もありましたが、こんな僕でも、成績が落ちた時でも、大多数のファンは『頑張れ、頑張れ』と背中を押してくれました。

阪神ファンはあったかかったです。優しかったです。

最後に、ファンの皆様に一言。本当に夢をありがとうございました!
心から、ありがとうございます。
そして野球というスポーツ、野球の神様、ありがとうございました。